東京高等裁判所 昭和29年(ネ)1985号 判決
被控訴法人の設立の無効なことの確認を求める控訴人等の本訴請求は、次の事項を付け加える外、原判決の記載と同一の理由により、権利保護の利益を欠くものと認められるから、右の記載を引用してこれを棄却する。
(一) 本訴において控訴人等の請求する被控訴法人の設立の無効を確認する判決が確定しても、そのことは当然に、控訴人が被控訴法人の前身であると主張する財団法人満州国留日学生補導協会の解散を無効と確定するものではないから、たとい両法人のいわゆる利益享受の対象の範囲が相違するとしても、控訴人等は、そのことにより、被控訴法人の設立の無効確認について、法律上の利益を有するものとは解されない。
(二) 権利関係確認の訴は、その確定判決が、当事者の法律上の地位の危険を除去するために適切な手段であることを要し、紛争に関して単なる前提問題に過ぎないものを確認の訴の対象とすることはできないものと解するを相当とするところ、控訴人主張(二)の訴訟において、被控訴法人の設立が有効であるかどうかは、単に右請求を判断するについての前提たる問題に過ぎず、これについての確認判決は、控訴人等が被控訴人の右主張のため被る地位の危険を除去するために適切なものとは解されないから、控訴人等主張の(二)の理由も、これを採用することができない。